下手な小説より面白いと思う
「メモリークエスト」 高野秀行依頼人の記憶の中に眠る人を探します、なんてミッションを公募したあげく実行した記録です。
タイから始まる捜索行は、この作家らしい辺境ツーリズムの中に可笑しさを織り込んだ文章で読み進むんだけど、それは南アフリカ、旧ユーゴスラビアへと移動するのにつれて、シリアスに国際情勢とか民族、宗教間問題を考えずにはいられない物に変化していきます。
今日の夕刊に、コソボの首都にクリントン元大統領の銅像が建立されたって記事が載っていたけれど、民族間対立へのスタンスは米国公式発表そのものでした。イラク戦争でも懲りてなかったのね。
「街道をゆく 三」 司馬遼太郎本州北端と熊本を中心にした九州の道が取り上げられています。
このシリーズは、作者が現代の道をゆきながら歴史を遡るんだけど、書かれている現代の風景やなにより登場人物の精神的風貌に、既に現在の日本人から失われた凛としたものが感じられていました。
何となく奥付を見たら昭和48年出版だって、あぁ納得。
